わたしは2023年7月に、「会社員の副業」という形でライター活動を始めました。現在では塾の非常勤講師とライター業に半分ずつ取り組んでいる形なので、書類上は「フリーランス」ということになります。この記事を書いている2025年10月現在、「活動歴3年目のライター」です。
今回は、実際に自分自身が体験したことを元に「Webライターってこんなお仕事だよ!」ということを紹介したいと思います。


書いた人:塾講師×ライター 田中歌耶子
埼玉県在住の40代。国語が好きすぎるあまり本職にしちゃった系塾講師。
2023年に副業でライターデビュー。2025年に独立し、現在は非常勤講師とライター業、二足の草鞋生活を楽しんでいます。

いったい何をするの? Webライターの仕事内容や特徴をチェック
まずはWebライターという仕事について、ざっくり概要からご説明します。
すっごく簡単に言ってしまうと「Web上にたくさん存在する、メディアやブログの【記事】を作成する仕事」です。
皆さんも、知らないことがあったらスマホやパソコンで「検索」をすると思います。たとえばGoogleを使って「SAPIX 国語 勉強法」で調べた結果は、こんな感じ。

検索結果の画面には、さまざまなサイトのアイコンとURL、タイトルがずらりと並びます。クリック・タップすると実際にそのサイトに飛んで、記事の中身を読めるわけですね。
そう、このリンク先の「記事」を書いているのが、Webライターと呼ばれる人たちなのです!
どうしてこんなマニアックなキーワードで例を見せたかって…?
うふふ、1位の記事を書いたのがわたしだからに決まっているではないですか(笑)

ちなみにこのような、検索エンジンでなるべく上位に来るように作られた記事のことを「SEO記事」といいます。「ちゃんと見出しを随時入れてわかりやすい構成にする」とか「キーワードで検索した人が知りたいであろう情報をきちんと入れる」とか、なるべくWeb記事としての質が高いものを作成しなければならないので、SEOに関する知識が求められます。
現状「Webライターの仕事」として最もメジャーなのはこのSEO記事の執筆だと思われますが、実際には他にもいろいろなジャンルの案件があったりします。
- YouTubeの台本を書く仕事
- メールマガジンの原稿を書く仕事
- 企業のSNS投稿の文章をつくる仕事
- 広告用サイトに使われる文章を書く仕事
- 求人媒体などで企業の魅力をアピールする仕事
パッと思い付いただけでもこれくらいはありそうです。おそらくまだまだ他にもニッチなお仕事が存在しそう。
これは要するに「企業や個人が『こういう文章を書ける人、いないかな~』と思っているところに、仕事が発生する」ということなんです。
10年ぐらい経ってもWeb上でなんらかの文章を作っている人たちはいそうですが、現在の「SEOライター」ではなくなっているのかもしれませんね。
で、結局稼げるの?Webライターとしての収入をざっくりご紹介
こういう記事を読んでいる人からすると、一番気になるのはここでしょう。
「Webライターの仕事って、どれくらい稼げるワケ?」
もちろんお答えしたいところなんですが…正直、Webライターの収入ってあまりにも人によってバラバラなんです。したがって、平均データがあまり意味をなさないと思っています。過去にアンケートなどを実施した記事は世の中にたくさんあるので、その辺りで具体的なケースを学べるくらいじゃないでしょうか。
以下の記事は知り合いの副業ライターさんが書いたものですが、わたしの目から見てもリアルだな~と感じました。

実際に自分はどうだった? 働き方別の収入の目安
わたし自身の「こんな感じだったよ~」という体験談もご紹介しますね。
【活動初期】 2023年7月~2024年2月ごろ | メイン案件は「10記事2,000円」のブログ記事案件。 たまに文字単価0.5円のSEO記事(本文執筆のみ)やゲーム紹介記事(1本2,000円)などを受注できることもありましたが、基本的に単発依頼。 月の収入は1~3万円程度でした。 |
【副業ガチ期】 2024年3月ごろ~ | ライティングスクールに入り、SEO記事の書き方や提案文の書き方を教わりました。 その結果、文字単価2.3円の企業オウンドメディア案件に合格⭕ 副業に割いている時間自体は変わらないのに収入がいきなり10万円越えに。 |
【時短社員期】 2024年7月ごろ~ | もともと「ライターとしていつか独立したい」と思っていたので、本業の勤務形態を時短社員に切り替えました。 ライティングに割く時間が増えた分だけライター収入も増えました。 MAXは炎上プロジェクトの火消し対応をした際の約40万円。 (ディレクターとして入っていた案件で、3日で30本近い記事のチェックをしました…) |
【現在】 2025年2月ごろ~ | 現在は週に3回、2社の学習塾で非常勤講師をしながら残りをライター業務にあてています。 めちゃくちゃ稼げてるか?というと、正直そこまでではありません。 でも心身の負担がかなり減って、生活自体の満足度は非常に高い状態です🌸 塾+ライター業の合計金額は副業ガチ期と同じくらいですが、比率が逆転しました。 |
わたしは書く仕事がしたくてWebライターの仕事を始めたので、基本的にずっと「自分で執筆する・自分でディレクションする」案件を続けています。複数のライターで手分けして案件に取り組む「チーム化」や、案件ごとに他のライターさんを雇って書いてもらう「外注化」は原則取り入れていません。
「Webライターで50万円!」とか「100万円!」という方々もSNSでは見かけますが、収入を爆発的に上げたい人はそういう動きも取り入れないと難しいのではないかな~と思います。
Webライターの報酬のしくみ
Webライターの仕事のほとんどは「成果物に対して支払われる」形になっています。1文字当たりいくらで計算される文字単価制の案件と、1記事当たりいくらで支払われる記事単価制の案件が多いですね。
いずれにせよ単価の高い案件ほど要求レベルも上がり、同時に応募してくるライバルにも経験者が増えてくるため、初めのうちはなかなか高単価案件が獲得できない…というケースはよく見られます。
その結果、多くの初心者ライターさんは比較的低単価の案件から始めることになるわけですが、ここで注意点。
文字単価0.1円とか記事単価300円といった超低単価案件は、可能な限り早めの卒業を目指しましょう!
- 5,000文字書いても500円。最低賃金を下回っているってレベルじゃなくコスパが悪い
- 高スキルのディレクターや先輩ライターはもっと高い案件に行くはずなので、フィードバックのレベルも高くない
- 誰が書いても「最低限のクオリティ」に揃えるために、マニュアルが異常に細かいことがある
もちろん「すべての低単価案件がこうだ」というわけではないのですが、上記のような話はよく「あるある」として耳にします。せっかくWebライターの仕事に興味をもったのに、このような条件の悪い案件に心身をつぶされて離れてしまうなんてもったいない!
わたしがフルタイム正社員をしていたとき、月に書ける文字数は55,000~58,000字くらいでした。文字単価1円で受注すれば、金額もそのまま55,000~58,000円。クラウドソーシングなどで手数料を引かれても5万円くらいにはなりそうです。文字単価1.5円なら?文字単価2円なら?
わたしの場合は仕事以外の時間をすべて突っ込む勢いで書いていたので、実際には30,000文字/月くらいの方が多いんじゃないかなとは思います。それでも収入をシミュレーションするだけでワクワクしちゃいますね!
ただ、文字単価2円以上になってくると、先方の期待値もかなり高くなってきます。それなりの知識や文章力を求められる覚悟はしておきましょう。
Webライターの仕事について「やってみてよかった!」と思うこと
初めは副業としてなんとなーく始めたWebライター。しかしわたしは結局1年も経たないうちに「これを本業にして、独立したい!」と考えるようになるほど、この世界にハマってしまいました。
というわけで、個人的な目線で感じる「Webライターのメリット」についていくつかご紹介します。
① 文章を書くこと自体がやっぱり楽しい
「文章を書いて、報酬がもらえる」
もうこれだけでめちゃくちゃ楽しいし、嬉しいですよね。もちろんクライアントあっての仕事ですから、好きなことばかりを書けるわけではないし、ときには理不尽に感じるルールやマニュアルに従わなければならない場面もあります。それでも「楽しさ」の方が強いな~と思います。
ときにはクライアントやディレクターから「素敵な記事を書いてくれてありがとうございます!」と褒めていただけることもあります。

そんなことがあった日にはもう、1日ニコニコ状態です。逆にゴリゴリに添削が入って「修正してね」と言われる場合も少なくないんですが、それはそれで「ご指摘いただいたおかげで、またスキルアップしちゃうわ…!」とテンションが上がります。
さらに、頑張って書いた記事がSEO記事で見事検索1位になれれば、自分の文章を多くの人に読んでもらえます。
誰かの疑問を自分の文章で解決できるなんて、素晴らしいお仕事なんでしょう…!
② 作業の場所やタイミングが自由!
よくWebライターのメリットとして挙げられる「場所や時間の自由」についても、本当にその通りだなと思います。
といってもわたしの場合はインドア派なので、「オシャレなカフェで仕事をしたい♪」みたいな願望はないのですけれど。
長年塾講師をしてきたわたしの生活リズムは、基本的に超夜型。深夜型といってもいいかもしれないレベルです。Webライターの仕事は基本的にSlackやChatworkといったチャットツール経由でやりとりをするので、真夜中に書き上げた記事をその場で提出することも(もちろん相手に応じて配慮は必要ですが)可能です。
ときには移動中のタクシーからチャットでクライアントと打ち合わせをしたり、記事の原稿を確認したりもしています。
この自由な働き方を選べる点は、Web系のお仕事ならではものですね。
③ これまでの仕事で培ったスキルが思った以上に役に立つ
3つ目のポイントは、社会人としてこれまで経験してきたことが想像以上に役に立つという点です。あまりこの点は意識していなかったので、仕事を始めてから気が付いたメリットだといえます。
- 保護者とコミュニケーションをとる中で磨かれてきた言葉遣い
- 社会人として叩き込まれてきたビジネスマナーの数々
- 授業や保護者からの相談を通して徹底的に鍛えられてきた言語化スキル
こういったものが明らかにライターとして働く際にも役に立ってくれています。
ということは、現在他のお仕事をされている皆さまも、同じように「あ、こんなスキルがこんなところで?」みたいな経験をできる可能性があるということです。これは副業ライターならではの強みなんじゃないかな~と思います。
「Webライター やめとけ」と言われる理由もわからなくもない
メリットが盛りだくさんのWebライター。しかし、Googleで検索すると「やめとけ」とか「ひどい」とか不穏なワードも並ぶので、本当に大丈夫なのか不安になる方もいると思います。
実際、やってみた感想としても「ラクなことばっかじゃないな!」とは思います。
どんな点でつらい・キツいと感じたか、こちらも体験談ベースで語ります。
① 副業ライターvs納期は本当にしんどい
Webライターの仕事には「納期・締め切り」というものが必ず付いて回ります。これが会社員にとっては想像以上にしんどいものだという点については、覚悟を決めておいた方がいいかもしれません。
そもそもWebライターって、フリーランスとして活動している人もゴロゴロいるような世界です。彼らは理論上、一日の活動時間のほとんどをライティングに注ぎ込むことも可能なのです。そんな人たちと対等に仕事をしようと思ったら、本業持ちのライターにとっては厳しい場面もでてくるってもんでしょう。
わたしの場合、何の制約もない「10記事2,000円ブログ」の案件のときは、そこまで追い詰められることもなくなんとか回せていました。しかし、企業案件で本格的なSEO記事やオウンドメディア用のコラムを書くようになってからは、正直「無理!!!!」ってなりましたね。だから24年7月からは時短勤務に変えてしまったのです。
フルタイム+副業の場合、月に5~10万円くらい稼ぐビジョンならわたしにもイメージできます。でも、フルタイム勤務をこなしながら20万円以上を稼ぎ出す方法は、残念ながらわたしにはわかりません…。
② 「クライアント運」は確実に存在する
会社で働いている皆さまであれば、何人かは「この上司だけは、マジで無理!」という相手がいるのではないでしょうか。人間には相性というものがありますから、それ自体は何もおかしなことではありません。
ただ、Webライターの仕事における「クライアント運」は、同じ会社で働く上司とは比にならないくらいにピンからキリまで幅広いということは知っておいた方がいいと思います。
SNSなどでは「あまり自分の仕事をクソ案件呼ばわりするのも他責思考でよろしくない」なんて言われますが、そうはいってもやっぱりいるんです。ハズレのクライアント。
- ライターを尊重する姿勢がまったくなく「下っ端作業員」としてコキ使おうとするクライアント
- 相手の心情をまったく考慮しないパワハラまがいのコミュニケーションをとるディレクター
- クライアント自身が「Webとかよくわかんないっす」と丸投げしてくる案件
3つ目の案件の場合は、クライアントのお人柄によっては「主導権握れてラッキー♪」というケースも含まれるんですが、それもこちらがある程度案件の流れを把握してきたからこそ言えること。
これが初心者クライアント×初心者ライターの組み合わせになっちゃうと、まぁまぁしんどいです。
クライアント側はライターに全部任せたいと思っているのに、ライター側も初心者だからクライアントに案件の流れをリードしてほしいと考えている…何ですかそのモジモジお見合い状態。
見下してくる・パワハラしてくるといった案件は、ベテランライターでも手に負えず(負いたくもなく)、すぐに手放してしまう案件です。不必要に気を遣っても良いことはないので、精神が病む前に逃げましょう。
これまでに聞かれた「よくある質問」
まとめ|なんだかんだでWebライターの仕事はめっちゃ楽しい!
大変な面はありますが、Webライターの仕事を選んで本当によかったと思っています。
わたしの場合は「40代で正社員を辞める=もう戻れない可能性が高い」という状況での決断でしたが、これはお世辞や負け惜しみなどではない素直な感想です。
だからこそ、興味を持った方にもぜひ挑戦してほしいし、どうせ挑戦するならうまくいってほしい。
このブログでは引き続きWebライターについて発信していくので、気になった方はぜひまた遊びにきてくださいね♪